バスケットボールプレイヤーには自らの半生を綴った本を書いている方がいます。
一線で活躍する選手は色々な経験をしており、読んでいて刺激を受けます。
読むとさらにその選手のことが好きになるし、考え方を学ぶこともできます。
私が読んだお勧めのバスケ選手の自伝を紹介します。
Kindle unlimitedなら月額980円で読み放題。
紹介する本も対象があります!
渡邊 雄太 『「好き」を力にする』
2023年ワールドカップでの活躍が記憶に新しい、日本人2人目のNBAプレーヤー渡辺雄太選手の自伝。
2018年にメンフィス・グリズリーズとツーウェイ契約(NBAトップチームと、参加のGリーグの両方に所属)でNBAデビューを果たしました。
2020-21シーズンからはトロント・ラプターズとツーウェイ契約を結び、その後活躍が認められ正式契約を結びました。
2021-22シーズンはトロント・ラプターズと通年で正式契約し、1シーズンを過ごしました。
2022-23シーズンはブルックリン・ネッツと無保証のキャンプ契約から正式契約を勝ち取り、NBAで最も充実したシーズンを送りました。
2023-24シーズンは、フェニックス・サンズと契約を結びさらなる活躍が期待されましたが、シーズン中に古巣メンフィス・グリズリーズにトレードされます。
シーズン終了後、NBAの挑戦を終了し2024-25シーズンからは、Bリーグ参戦の表明をしました。
2024年7月、千葉ジェッツと契約したことを発表。
これからのBリーグを盛り上げてほしいですね。
八村塁のようにドラフトでNBAの契約を交わしたわけではないが、実力で信頼を勝ち取った苦労人。
本書でも線の細さから壁を感じたようだが、自分の特性を認識し役割を考えプレースタイルを選んでいます。
両親ともバスケ選手で、家庭内で当たり前のようにバスケの会話がなされるというある意味「異常」な家庭に育ったようです。
そんななかでもバスケが「好き」で練習が苦にならなかったという。
節々から好青年っぷりがにじみ出ています。
今後のさらなる活躍に期待。
富樫勇樹 『「想いをカタチにする」ポジティブ思考』
日本人初の1億円プレーヤー富樫勇樹選手の自伝。
2023年ワールドカップでは、キャプテンとしてチームを引っ張ってくれました。
現在Bリーグ千葉ジェッツで活躍中です。日本代表にも選出され、Bリーグの顔といっても過言でないでしょう。
今や第一線で活躍中で、さぞかし順風満帆なバスケ人生だったかた思いきや・・・
アメリカの高校への進学や、海外のプロチームへの挑戦など、やはり壮絶な経験をしています。
我々凡人からすると大変な挑戦でもタイトルにあるようなポジティブ思考で乗り越えたことがわかります。
167センチという身長でバスケでは不利とされますが、自分でコントロールできないものは仕方ないと割り切る。
この考えは色々なことに通じると、共感できます。
この身長で日本代表として戦えるというのは日本人からすると応援したくなりますよね。
千葉ジェッツブースター必読です。
今ならkindle Unlimitedで読み放題の対象となっています!
ジョシュ・ホーキンソン 『日々挑戦、日々成長』
帰化選手として日本代表活躍する、ジョシュ・ホーキンソン選手の自伝。
2024年現在、Bリーグのサンロッカーズ渋谷に所属しています。
2023年のワールドカップでの活躍は記憶に新しいですね。 ホーキンソン選手の活躍なければ、あの3勝、そしてパリ五輪の切符獲得はなしえなかったと言っても過言ではないでしょう。
そんなホーキンソン選手。ファンの方ならご存じでしょうが、とても陽気な選手で有名です。
ただ、その裏側には様々な苦労や苦悩があり、それを乗り越えて日本代表のホーキンソン選手があることがわかります。
我々ファンからみると、なんでもできる器用な選手、という印象があるかと思います。
そんなホーキンソン選手でも、身体能力が足りずNBAから声がかかりませんでした。
そこで日本でプレーすることを決断します。
当初は日本の文化になじめず、ホームシックにかかるなど苦労したようですが、徐々になじんでいき、その後の活躍はご存じのとおりです。
様々な出会いにも助けられたと言い、日本での活躍は運命というか、必然であったのかと思わされます。
ホーキンソン選手の人格形成は、共にバスケットボール選手であった両親の影響が強いようです。
真面目で思慮深い母親と、陽気で明るい父親のエピソードはたくさん本書で紹介されています。
特に父親の影響は大きいようで、人を楽しませることが好きなようです。
代表戦の後に、カラオケを披露するなんてこともありましたね。
今こうして活躍している理由としては、タイトルにもあるように「日々挑戦、日々成長」という考えを持っているからということが伝わってきます。
コツコツと努力していくことにより、日々成長し、大きな目標を達成する。
アスリートとしての考え方ではありますが、普通のサラリーマンにも響くことがたくさんあります。
今後の活躍に期待です。
富永啓生 『楽しまないともったいない』
和製カリーこと、富永啓生選手の自伝。
ダブドリというバスケ雑誌に連載していたコラムを書籍化したもので、アメリカに渡りネブラスカ大学でNCAAに挑戦した出来事を自らが綴っています。
実際にシーズン中に書かれたものなので、その当時の臨場感が伝わってきます。
プレータイムが与えられなかった時期から、信頼を勝ち取り中心選手となり、NCAAトーナメント出場を勝ち取る過程がありありと描かれいます。
NCAAの話が中心ですが、高校時代や、東京オリンピック、ワールドカップのエピソードも出てきますので、当時の心境もうかがえます。
富永選手は、自分自身でも自覚するように、5本連続で外しても、次の5本を連続で決めるタイプ。
入りだしたら止まらない、それが富永啓生のプレースタイル。
そして、会場が盛り上がるほど燃えるタイプ。
なかなか日本にはいないタイプの選手なので、ワクワクしますよね。
2024年パリオリンピックでは、出番が少なくアピールできませんでしたが、NBA目指して頑張ってほしいですね。
朝山正悟 『轍学 広島ドラゴンフライズ朝山正悟 人生のルールブック』
2023-24シーズンで現役引退を発表した、広島ドラゴンフライズの朝山正悟の哲学・生きざまを記した本。
著者の坂上俊次氏は広島ドラゴンフライズの創設から取材してきた中国放送のアナウンサー。
別途、取材を行いこれまでの朝山正悟の軌跡を「轍学」としてまとめています。
日本のバスケットボールが盛り上がっている昨今ですが、朝山正悟の名前を知っているのはだいぶBリーグに詳しい人ではないでしょうか。
かくゆう私も広島がB1へ昇格する以前の朝山選手のことはほとんど知りませんでした…。
全国的にはそうかもしれませんが、広島では相当な知名度があるようです。
広島の街で石を投げれば朝山ファンに当たる
と言われるほどの存在のようです。
チーム創設後間もない広島ドラゴンフライズに移籍し9年間活動。
いまやミスタードラゴンフライズという異名を持っています。
そんな朝山選手、ここまでの道のりは決して順風満帆ではありませんでした。
特に、広島に移籍した後の9年間は特別です。
創設間もないチームなのでカルチャーがなく苦悩したり、大けがをしてシーズンを棒に振ったり、シーズン中のHC解任により選手兼HCとして活動したり…。
そんな中でもファンサービスや、コート外の活動にも手を抜くことがありませんでした。
朝山選手の人の良さや、ハートの熱さがにじみ出てきており、選手を含めた多くの人々に影響を与えたことがよくわります。
このマインドを今、現役で活躍している選手が引き継いでほしいと思う!
そこまで思い入れのある選手ではなかったのですが、本書を読んで朝山選手に惚れてしまいました。
もうプレーする姿は見れないのですが、別の立場でバスケットボール界に姿を見せてくれることでしょう。
篠山竜青 『日々、努力。』
Bリーグ川崎ブレイブサンダースに所属する篠山竜青選手の半生を綴った本。
篠山選手は自信のチームの生え抜き選手で、7季連続でキャプテンを務めています。
また、かつては日本代表にも選出されており、代表チームのキャプテンも務めました。
当時は東京でオリンピックが開催されることが決まっていましたが、トップリーグが複数あった過去の経緯により無条件で開催国枠での出場が許されていませんでした。
そのため、2019年のワールドカップ予選の結果次第でオリンピックの出場が決まるという状況でした。
その、ワールドカップ予選の日本代表にてキャプテンを務めたのが篠山選手でした。
予選1次ラウンド4連敗という最悪なスタートから、その後無傷の8連勝を飾り2006年以来の自力出場をつかみ取りました。
篠山選手の貢献は大きかったと思います。
東京オリンピックの出場権も得ることになりましたが、篠山選手は残念ながら出場できませんでした。
バスケ好きな人であれば、このワールドカップ予選の記憶は記憶に新しく、篠山選手のキャプテンも当たり前のように受け止めていたと思います。
天性のキャプテンシーやリーダーシップをもつ選手だと思っていましたが、本書を読んで印象が変わりました。
自信のことを「後天的」リーダだと語っています。
また、普段前に出て目立つことを多く見るため意外でしたが、人見知りで消極的な子だったらしいです。信じられませんね…
本書では、後天的ながら過去に数々のカテゴリーでキャプテンを務めてきた、篠山選手のリーダーの心得が語られています。
その他にも、自信の経歴やプロとしての意識について、これからのバスケットボール界についても自身の言葉で語られています。
川崎ブレイブサンダースブースターは必読、Bリーグファン、バスケファンにもおススメできる本です。
リーダーとして悩むサラリーマンの方にも感じるものもあると思います。
ステフィン・カリー 『努力、努力、努力。』
言わずとしれたNBAのスター、ゴールデンステート・ウォリアーズ所属のステフィン・カリーの自伝。
彼の生い立ちや、両親、学生時代、NBAでの苦悩などが描かれています。
順風満帆な人生かと思いきや、色々な苦労があったよう。
テクニックは問題ないのだが、サイズが小さいことによりなかなか認められなかったり、怪我に悩まされたり。
トップに登りつめたあとも、決して奢ることなく紳士であったようですが、逆にそれが鼻につくアンチカリーがいたりと。
スリーポイント重視の現代バスケを築いたと言ってもいいカリー。
このサイズでもやれるという日本人の希望となる選手だと思います。
怪我に悩まされる時期もありましたが、まだまだこれからもやってくれるだろう。
そこそこの厚さと小さな文字でボリュームがあり、しかも英語の翻訳なので少し読みづらいかも。
折茂武彦 『99%が後悔でも』
49歳まで現役を続けたバスケ界のレジェンド 折茂武彦氏の自伝。
2020-21シーズンで惜しまれつつ引退しました。
この年齢までバスケの一線で現役を続けた人を他に見たことありません。
また、晩年は球団社長兼選手という異色の経歴を持ちます。
若い頃の「やんちゃ」っぷりと、社長兼任からの奮闘ぶりが伝わってくる一冊です。
北海道移籍、経営悪化、社長就任 から過去の学生からトヨタ時代のエピソードまで描かれています。
バスケの人生を通じて「人」と「想い」へのこだわりがあり、このこだわりがあるからこそ社長として選手としての役職を全うできたのだな、と感じます。
もう一人のレジェンド佐古賢一さんとのエピソードも描かれており、今レバンガ北海道で社長とヘッドコーチとして一緒のチームに関わっていることの重みを思い知ることができます。
レバンガブースター、Bリーグファン、日本バスケ会の歴史を知りたい方にもお勧めできます。
夏達維 『僕は叶える』
部活に入らずにプロバスケットボール選手になるという、荒業を成し遂げた夏達維さん!
夢は信じれば叶う、ということを体現した事例を自ら紹介。
プロバスケ選手引退後も、営業として全国新人歴代1位という快挙を成し遂げる。
夢を叶えるための努力は惜しまず、それを実現するという夏さんが教えてくれるサクセスストーリーのノウハウ。
印象的だったのは
- コンフォートゾーンに留まるな!
- ドリームキラーの対処法
コンフォートゾーン。
これは居心地のいい領域のこと。
ここに留まっていると人は成長しないということ。
人生には、コンフォートゾーンの他にラーニングゾーン、パニックゾーンがあります。
ラーニングゾーンは、自分の能力があまり通用しない領域。
頑張らないとできないことが多く、ストレスがかかります。
コンフォートゾーンから抜け出して、この領域に身を置くことで人は成長していくということ。
パニックゾーンは、自分の能力がまったく通用しない領域。
この領域にいくと、できることがほとんどなく、ストレスで心身を壊す可能性がある。
それでも、時にはこの領域にも踏み出すことも必要と言っています。ドリームキラーとは、人の夢を諦めさせようとする人のこと。
次に、ドリームキラー。
ドリームキラーには3種類あります。
- 無意識的なドリームキラー
- 意識的なドリームキラー
- 自分の中のドリームキラー
無意識的なドリームキラーは、家族や恩師など。
悪気はないが、夢を叶えることは難しいので諦めた方がいいと言う人。
意識的なドリームキラーは、友人など。
夢に向かう姿に嫉妬して、諦めさせようとする人。
自分の中のドリームキラーは、自分自身。
自分の中の弱い心がそうさせてしまうこと。
いろんなドリームキラーがいますが、自分の中のドリームキラーが一番強敵なんじゃないかと思います。
どんな夢にも「もう無理だ」と諦めたくなることがあると思います。
そんな思いに打ち勝つ方法が紹介されてます。
その他のドリームキラーに対する対処法も、もちろん紹介。
「夢は叶う」を伝えているのですが、最後に「夢を持とう!」と押し付けないところがニクイ。
幸せな人生となるための一つの選択肢である。
夏さんは、たまたま幸せな人生となるためには、夢に向かって突き進むことだったんですね。
髙田真希 『苦しいときでも、一歩前へ!』
東京オリンピックで女子バスケットボール日本代表のキャプテンを務めた髙田真希選手の自伝です。
東京オリンピックでの銀メダル獲得の振り返りはもちろんのこと、幼少期の真希少女について、名門桜花学園への進学の真相、実業団デンソーでの経験、会社設立の理由など、色々と語られています。
代表チームのキャプテンを務めていた髙田選手の行動が印象的です。
情熱家のトム・ホーバスHCからメンバーに「熱を伝えてほしい」と言われていたようです。
しかし髙田選手は、自身の性格とメンバーの性格を考えて、そのまま伝えるのではなく自分なりのやり方でメンバーに伝えます。
そのまま伝えてしまっては、若手が委縮すると考えたためです。
一方で、トムHCにもリーダシップをとっていることがわかるようにふるまっており、間を上手く取り持っていたようです。
ご自身はこれを「中間管理職」のようだとおっしゃっていました。
本書の中で、アスリート特有の「負けず嫌い」を持っている一方で、内気で引っ込み思案な面があるという意外な一面が垣間見えます。
テレビなどで見る髙田選手を見ると想像できませんよね。
髙田選手は、女子バスケやWリーグの認知度を上げたいという想いを強く持っているということが本書でよくわかります。
そのために、オリンピックでのメダル獲得後のメディア出演を積極的に行ったり、「TRUE HOPE」という会社を立ち上げてバスケ発展に寄与しています。
このような活動をしていることがわかると、一バスケファンとしては応援したくなります。
プレーヤーとしてもWリーグ最高得点記録更新中ですので、今後も多方面での活躍に期待したいですね。
ニック・ファジーカス 『決断』
20219年W杯日本代表出場の立役者、ニック・ファジーカス選手の自伝。
現在Bリーグ川崎ブレイブサンダースで活躍中です。
残念ながら2023-24シーズン限りでの引退を発表しました。
この人なくして現代の日本バスケは語れないでしょう。
本書は2019W杯予選までの出来事が語られています。
Bリーグ初年度の得点王やMVPに輝くなど、今もなお一線で活躍しているニックですが、これまでの経歴では多くの苦労をしてきたことがわかります。
NBAではうまく結果が出ず、海外を転々とし日本にたどり着きました。
日本がニックにはマッチしたようで、今の活躍に繋がります。
その過程では様々な決断がなされており、挫折とそのたびに努力を繰り返してきたことがわかります。
人生節目での決断、誰にでもあることでしょう。
残念ながら東京五輪には出場できなかったですが、日本の帰化選手としてこれからの活躍に期待です。
Kindle unlimitedなら月額980円で読み放題。
今なら本作が読み放題対象になっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか、バスケ選手の自伝。
本を読むとその人に興味を持ち、もっと知りたくなります。
興味を持たれた方は、Bリーグ観戦に足を運んでいただいたり、ネットで観戦したいただけるとバスケットボールの面白さがわかると思います。
他にもバスケ関連の書籍を紹介しています。
バスケのクラブチームの経営について、Bリーグの発足からリーグの経営についての本の紹介。
バスケの戦術やバスケIQを鍛える本の紹介。
バスケの技術・スキルを鍛える本の紹介。
スラムダンクを題材とした本の紹介。
バスケに関する実話の本を紹介。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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